Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
Ⅰ.はじめに
脳動脈瘤再出血の防止には,頭蓋内直達手術によるneck clippingが最も確実な方法であり,患者のgradeが良好の場合には早期手術を行うことが常識とされている.しかし,状態のよくない患者では一定の状態にまで症状が落ち普くのを待って手術を行う.ところが手術待機中に再出血をきたすことはたびたび経験することである.そこで少なくとも手術にいたるまでの間,再出血を防止する方法が講じられなければならない.周知のごとく,再出血の発現機序には血圧とともに線溶現象が大きく関与しており,その対策として血圧のコントロールと抗線溶療法が行われている.しかしながら,線溶現象が脳動脈瘤出血におよぼす機序は十分には解明されていない.脳動脈瘤破裂部の血栓融解に線溶現象がどのように関連しているかを把握するには,血液線溶系よりも局所線溶系を捉えることが大切である.しかるに,従来この観点よりの線溶動態の検索はきわめて少ない.そこで著者らは局所線溶を敏感に反映するものとして,髄液の線溶現象に着目し,検討を加えた結果興味ある知見を得たので報告するとともに,治療上の問題についても見解を述べてみたい.
This study was aimed to investigate the correlation between recurrent hemorrhage of ruptured intracranial aneurysm and local fibrinolytic activity of aneurysmal fibrin plug.
The fibrinolytic activity of cerebrospinal fluid (CSF) was investigated in 63 patients with various neurological diseases by means of modified fibrin plate method. No plasmin was elicited in normal CSF, however, it was confirmed that CSF contained an incomplete activator which became a complete activator in the presence of streptokinase, and plasminogen was identified in the presence of urokinase.
Copyright © 1977, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.