Japanese
English
特集 てんかん
てんかん—神経外科学の立場から
Treatment of Epilepsy by Neurological Surgery
清水 弘之
1
Hiroyuki Shimizu
1
1東京都立神経病院脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Tokyo Metropolitan Neurological Hospital
キーワード:
epilepsy surgery
,
intraoperative electrocorticography
,
MST
,
hemispherectomy
Keyword:
epilepsy surgery
,
intraoperative electrocorticography
,
MST
,
hemispherectomy
pp.425-430
発行日 1997年5月1日
Published Date 1997/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406901104
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.はじめに
近年,世界的にてんかん外科がかつてない隆盛をみせている。その理由として,診断法と手術法の進歩があげられる。診断法の中では,MRIを中心とする精度の高い画像診断法の登場により,てんかん焦点のかなりが,視覚的に把握できることになり,内科医から外科医への患者の紹介が比較的抵抗なく行われるようになったことが,てんかん手術の普及の最も大きな要因の一つと思われる。
さらに,外科サイドでは,手術用顕微鏡の導入以来,脳外科手術の安全性が飛躍的に増大してきたが,てんかん外科においても,焦点のより選択的切除などの工夫が重ねられ,手術そのものが従来より精緻で安全なものになってきた。同時に,頭蓋内電極や術中の電気刺激を通しての大脳機能マッピングにより,切除可能部位の同定が可能になるとともに,切除不可能な部位に対しては,MSTという新しい概念に基づく手術法が開発され,てんかん外科の安全性が高まるとともに,その適応範囲も大いに拡大した。
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.