Japanese
English
総説
髄液の産生と吸収の再考
Reconsideration of Cerebrospinal Fluid Formation and Reabsorption
宮嶋 雅一
1
,
新井 一
1
Masakazu MIYAJIMA
1
,
Hajime ARAI
1
1順天堂大学脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Juntendo University
キーワード:
cerebrospinal fluid(CSF)
,
interstitial fluid(ISF)
,
capillary
,
choroid plexus
,
arachnoid villi
Keyword:
cerebrospinal fluid(CSF)
,
interstitial fluid(ISF)
,
capillary
,
choroid plexus
,
arachnoid villi
pp.1095-1106
発行日 2014年12月10日
Published Date 2014/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436200044
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
Ⅰ.はじめに
従来,髄液の大部分は脈絡叢から産生され,中脳水道を通り,Luschka孔とMagendie孔より出て,脳底槽に達する.そして頭頂部に向かって循環し,脳表くも膜下腔に至り,いわゆるくも膜顆粒(絨毛)から上矢状洞に吸収され,体循環に戻るとされてきた.また,一部の髄液は脊髄くも膜下腔を循環するとされてきた(Fig.1).この髄液循環の仮説は,多数の偉大な先人の優れた業績によるものである.しかし100年を経た現在,最近の研究結果および臨床的観察から,過去の研究方法の不備と研究結果の誤った解釈が明らかになり,この髄液循環の仮説を再考する必要性が生じて来た.本稿では髄液生理学について歴史を踏まえて再考する.
Copyright © 2014, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.