Japanese
English
特集 神経疾患と神経栄養因子
3.パーキンソン病と神経栄養因子
Glial Cell Line-derived Neurotrophic Factor for the Rescue of Dopaminergic Neurons in Parkinson's Disease
本間 豊
1
,
高坂 新一
1,2
Yutaka Honma
1
,
Shinichi Kohsaka
1,2
1日本学術振興会
2国立精神・神経センター神経研究所代謝研究部
1Research Fellow of the Japan Society for the Promotion of Science
2Department of Neurochemistry, National Institute of Neuroscience, National Center of Neurology and Psychiatry
キーワード:
neurotrophic factor
,
glial cell line-derived neurotrophic factor(GDNF)
,
Parkinson's disease
,
gene therapy
Keyword:
neurotrophic factor
,
glial cell line-derived neurotrophic factor(GDNF)
,
Parkinson's disease
,
gene therapy
pp.847-853
発行日 2003年10月1日
Published Date 2003/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406100534
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はじめに
パーキンソン病は,黒質ドーパミン神経細胞の変性を主体とする進行性の変性疾患である7~10)。その変性の結果として,ドーパミンニューロンの投射先である線条体でのドーパミンの不足がいくつかの症状を引き起こす(図1)。症状としては振戦,筋固縮,無動,寡動,姿勢・歩行障害などがみられる。有病率は人口10万人あたり150~200人と推定され,発症は40~60歳頃が最も多い。現在のところ,この不足したドーパミンを補充する療法が治療の主体で,その他ドーパミン受容体を刺激することのできる薬物やドーパミンの代謝を遅らせる薬物などの使用が一般的である。しかし,いずれも病気の進行とともに治療に反応できるドーパミンニューロン自体が変性して数が少なくなっていくため,補充されるドーパミンに対する反応が低下していく。また,補充量が増加していくとともに,副作用の増加も無視できない問題となる。そこで最近になり,進行性に変性するドーパミンニューロンの変性を抑える目的で,各種療法が試みられている。
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