Japanese
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特集 脳のシンポジウム
主題:加齢と脳
加齢と脳—神経生理学の立場から
From the Viewpoint of Neurophysiology
時実 利彦
1
Toshihiko Tokizane
1
1東京大学医学部脳研究所生理学
1Department of Nenrophysiology, Institute of Brain Research, Faculty of Medicine, University of Tokyo
pp.590-596
発行日 1967年10月25日
Published Date 1967/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431906428
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I.緒言
変化する環環のなかで,適応しながら,成長し創造してゆく動物や人間の「生の営み」は,脳を中枢とした神経系によつて行なわれている。したがつて,動物や人間の「生の営み」にみられる成長と加齢は,神経系ときわめて密接な関係にあることはいうまでもない。その意味で,この問題を神経生理学の立場から調べてみることは重要なことである。とくに,A.Portmannのいうように,動物に比べて,人間の神経は生理的早産であるために,神経系の成熟,発育の問題は,加齢の問題よりも重要であつて,神経生理学では,この分野に研究者の関心が向けられているゆえんである。
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