Japanese
English
特集 視床下部
視床下部の線維結合—神経内分泌ニューロンを中心として
Neural connections of the neuroendocrine hypothalamus.
新井 康允
1
Yasumasa ARAI
1
1順天堂大学医学部第二解剖学教室
1Department of Anatomy, Juntendo University, School of Medicine
pp.409-417
発行日 1987年6月10日
Published Date 1987/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431905895
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視床下部と中枢神経系の他の部位とを連絡する神経線維は脳弓fornixや乳頭体視床路mammillothalamic tractのように太くて,人脳では肉眼でもみえる線維束を形成しているものもあるが,多くは散在的であり,古典的な神経解剖学的手法ではその検索はかなり困難であった。従来からの主要線維連絡としては上記の二つの他に,内側前脳束medial forebrain bundle(MFB,図1),分界条stria terminalis,内側皮質視床下部medial corticohypothalamic tract,視交叉上交連supraoptic commissure,乳頭体被蓋束mammillotegmental fascicuius,乳頭体脚mamillary peducle,Schützの背側縦束dorsal longitudinal fasciculus of Schützなどがあげられる。
しかし,HRPなどを用いた逆行性標識法,放射活性アミノ酸を用いたオートラジオグラフィー法,モノアミン組織螢光法,神経ペプチドを中心とした免疫組織化学法などが導入され,現在,視床下部の線維結合が再検討されつつある。本文では,その一部を神経内分泌調節機能を中心として最近の知見を紹介することにする。
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