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特集 第9回脳のシンポジウム
主題:神経情報処理機構
視床下部化学受容ニューロンにおける情報処理
Information processing in the chemosensitive neurons in the hypothalamus
大村 裕
1
Yutaka OOMURA
1
1金沢大学医学部生理学教室
1Department of Physiology, Faculty of Medicine, Kanazawa University.
pp.1092-1099
発行日 1973年12月10日
Published Date 1973/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903579
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哺乳類は一定のカロリーだけ正確に摂っており餌のカロリーを下げると食間隔は短縮してこれを補正し,カロリーを上げると摂取量は減少してくる(Le MagnenとDevos,1967)。またラットで胃チューブで餌やグルコースを補給すると,摂取カロリー量は相対的に減少する(Booth,1972)。このような食餌性のカロリー調節は,迷走神経を切断しても一時的に変化はするが,すぐもとの状態に回復する(SnowdonとEpstcin,1970)。迷走神経は求心性に,胃の膨満度や,肝臓のグルコース濃度(Niijima,1969)およびアンモニア濃度(Russek,1971)をインパルスに変換して視床下部に送り込んでいる。したがって,相当重要な末梢性のカロリー調節も行なわれているわけである。しかし究極的には,より高次の中枢が行なっていることになる。
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