Japanese
English
特集 第21回脳のシンポジウム
脳の生化学
痴呆の生化学
Biochemistry of dementia.
西村 健
1
,
山下 正
1
,
多田 国利
1
,
武田 雅俊
1
,
播口 之朗
1
,
祖父江 憲治
2
Tsuyoshi NISHIMURA
1
,
Tadashi YAMASHITA
1
,
Kunitoshi TADA
1
,
Masatoshi TAKEDA
1
,
Shiro HARIGUCHI
1
,
Kenji SOBUE
2
1大阪大学医学部精神医学教室
2大阪大学医学部高次神経研究施設神経薬理生化学部門
1Department of Neuropsychiatry, Osaka University Medical School
2Department of Neuropharmacology and Neuro-chemistry, Institute of Higher Nervous Activity, Osaka University Medical School
pp.1101-1110
発行日 1986年12月10日
Published Date 1986/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431905854
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老年期痴呆の代表的な原因はアルツハイマー型老年痴呆と脳血管性痴呆である。脳血管性痴呆の成因は脳血管障害による組織破壊であるから,その病態の特異性は少ない。それに対して,アルツハイマー型老年痴呆の病因は未だ明らかでなく,その病態についても不明の点が多い。アルツハイマー型老年痴呆の神経病理学的所見は今世紀初頭すでに明らかにされたが,その化学的性状について積極的に研究が行なわれるようになったのは最近の20年間である。
アルツハイマー型老年痴呆の主要な脳病変は老人斑と神経原線維変化である。老人斑についてはその中心部に沈着するアミロイドの成因や化学的性状の解明に力が注がれており,神経原線維変化については,その構成単位であるpaired helical filament(PHF)のサブユニット蛋白の分析やPHFの成因の追究が重要なテーマになっている。
The recent progress of the biochemical study of dementia in the elderly is reviewed.
The recent studies on senile dementia of the Alzheimer type is focused on senile plaque amyloid, neurofibrillary tangles and neurotransmitters.
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