Japanese
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特集 向精神薬の見逃されやすい副作用と対策
抗痴呆薬の副作用
Side Effects of Nootropic Drugs
中村 祐
1
,
武田 雅俊
1
,
播口 之朗
1
,
西村 健
1
Yu Nakamura
1
,
Masatoshi Takeda
1
,
Shiro Hariguchi
1
,
Tsuyoshi Nishimura
1
1大阪大学医学部精神神経科
1Department of Neuropsychiatry Osaka University Medical School
pp.275-280
発行日 1990年3月15日
Published Date 1990/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902808
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近年,高齢者の増加に伴い,アルツハイマー病や脳血管性痴呆を中心とした痴呆性疾患に対する薬物療法の必要性が以前にもまして求められている。痴呆性疾患に対して使用されている薬物で痴呆症状を改善する薬剤という意味で抗痴呆薬という言葉が使用されるのであるが,現在のところ真の意味での抗痴呆薬は未だ開発されていない。しかしながら,高齢者にみられる種々の神経・精神症状に対して加療が試みられ,種々の脳循環代謝改善剤などの薬剤が投与されている。このような薬剤は非常に多数の患者に投与されており,またその大部分が高齢者に投与されていることにより他の種類の薬剤とは異なる副作用の現れ方が注目され始めている。このような事実を踏まえて本稿ではまず高齢者の薬物代謝の特徴について述べた後,現在使用されている脳循環代謝改善剤について報告されている副作用を記し,最後に現在抗痴呆薬として開発中の薬剤のいくつかについて考えられる副作用の可能性について考察を加えたい。
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