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I.瞳孔対光反射の周波数特性と小脳
眼は生体にとって重要な感覚器で,より効果的に情報が集められるように,いろいろな自動調節装置がついている。入ってくる光量に応じて瞳孔の面積を調節する瞳孔光反身,眼と被視物体との距離に応じてレンズの焦点を調節する眼の調節作用,また,被視物体を網膜の感度の高いところに焦点を結ばせるための眼球を動かす輻奏反射が瞳孔反射と連動している。
瞳孔反射のうち光に対して縮瞳する瞳孔光反射は生体制御系としての種々の特性を備えており,よく調べられている。瞳孔の大きさは,眼に赤外線を照射することによって虹彩より反射してくる反射光量の変化として光電素子で検出するか,テレビカメラによって瞳孔面積変化を記録し,その画像から瞳孔面積に比例したアナログ電気信号として連続的に記録することができる。ヒトの網膜は赤外光に対して感光性はないから,赤外線を照射することによって網膜へ入射する赤外光が,可視光の光量調節機構に影響を与えない。光が虹彩に達すると,瞳孔に吸収されるもの以外に反射される。この反射光量を光電素子で検出する。このとき,ヒトの瞳孔は直径2.9mmから6.5mmの間を変化している。目に入る光強度が増加すると,瞳孔直径は減少し,その結果網膜に達する光量を減少させるように働く。すなわち,ネガティブ・フィードバックの系が形成されている。
Abstract
The effect of cerebellar lesions upon the pupillary light reflex was examined in anesthetized cats. The pupillary response elicited by a step and sinusoidally modulated light stimulus was used. In acute cerebellectomized cats, the high frequency cutoff of the frequency response of the pupillary reflex was moved to a lower level after cerebellar lesions. Thus the cerebellum appears to partici-pate in the control of the pupillary light reflex by improving the frequency responses of the pupil so that it can follow changing light stimuli better.
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