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はじめに
内分泌系にサーカディアンリズムが存在することが知られるようになったのは,1943年にPincusが正常成人で17KSの尿中排泄に昼夜差があることを報告してからである1)。以来哺乳類をはじめとして,鳥類,爬虫類,両棲類,魚類に至るまでこのホルモンリズムが存在し,かつ極めて明瞭なリズムが認められることから,この系のリズム研究は多方面から精力的に行なわれてきた。
くだって1960年代後半から高感度のRIAが開発されるに及んで,成長ホルモン,プロラクチンをはじめ,黄体形成ホルモン,甲状腺刺激ホルモン,バゾプレッシン,オキシトシンなど下垂体ホルモンにも,その分泌に日内リズムが存在することが明らかにされた。さらにこれらのホルモン分泌リズムには睡眠依存性のものと,内因性の時計機構に支配されたものの2つの群に分類されることも明らかにされた2)。前者の群に属するホルモンは睡眠覚醒リズムを逆転するとそれに応じて分泌リズムが変化するものであり,成長ホルモン・プロラクチンが代表的なものである。一方,後者の群に属するものとしてはACTH-コルチゾール系が代表的なものであり,これは睡眠。覚醒リズムの逆転や急激な位相のずれがあっても,それまでと同じ位相のリズムが継続するものである。個々のホルモンの日内リズムがどのような特性を持つかをまとめたのが表1である。
Circadian rhythm of adrenocortical activity has been extensively studied in various fields, as this rhythm is the first one discovered in endocrine system and is known to be one of the mosttypical circadian rhythm entrained to the endogenous oscillator. In this paper several current topics are reviewd.
1. Ontogeny of the corticoids rhythm There were only few reports on the ontogeny of the cortisol rhythm in human.
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