連載 カラーグラフ
生体のメカニズム・35
神経の生理・3
体の中にあるさまざまなリズム—特にサーカディアンリズムについて
大橋 俊夫
1
TOSHIO OHHASHI
1
1信州大学・第一生理学
pp.976-979
発行日 1994年11月1日
Published Date 1994/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904670
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われわれの生活している地球や,その地球をとりまく宇宙には,一定の時間間隔で繰り返される現象がたくさんみられます.たとえば地球の自転によって,昼と夜の交代は1日ごとに繰り返されています.また月の満ち欠けにみられる月齢の変化は,だいたい1か月(29.5日)の周期で繰り返されています.
私たちの体の中にも,こうした自然環境のリズムに対応して,その働きが変化していく生体のリズムが存在しています.すなわち,こうした環境の変化の中で快適な生活を営めるように,体の中に時計が作られ(これを体内時計あるいは生体時計と呼んでいます),この時計によって,体のいろいろな働きに周期的なリズム運動が,長い進化の歴史の間にできてきたのです.
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