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I.はじめに
ミオクローヌスmyoclonusという用語が様々の原因による類似の異常運動に対して用いられてきたこと,したがってその病理学的基盤においても,発現機序においても様々なものが含まれるであろうということは多くの研究者によって指摘されてきた。その故に正確な病因や発症機構を基礎とした疾患名ではないことはいうまでもない。「突然の急激な不随意の筋収縮sudden sharp involuntary muscle jerking」という広範な定義のミオクローヌスには現象的にもその発現部位の拡がり(muscleinvolvementの範囲),頻度(frequency),激しさなどに様々のものがある。
本章で取り上げるものは,1)その異常運動の程度が激烈であること,2)その異常運動の範囲が特に上肢においてはなはだしく,頭神経領域や下肢においては軽度であり,また3)安静時にも存在するが,動作時において著明に増悪する種類のものであるという3つのcriteriaによって選ばれたミオクローヌスである。2)と3)は何らかの小脳機能の重篤な障害,低下,ことに小脳性振戦類似の機構を考えさせるものであり,1)はdiazepamや5-HTPをはじめとするこれまでの各種の薬物療法が極めて不充分にしか効果を示さず,患者の日常生活において多大の障害となるものであることを示している。
Stereotaxic surgery on myoclonic jerking has been reported only in a few papers (Hassler; Mundinger et al.). The author reported two cases of intention myoclonus operated by Vim (Nucl. ventralis intermedius) thalamotomy using microelectrode technique successfully.
The first case is a case of right-sided myoclonic jerking due to cerebral vascular accident (occlusion of the bilateral superior cerebellar artery). Myoclonic jerking, predominantly of the right arm, was very irregular and abrupt and was enforced markedly by intention or movement.
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