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まえがき
松果体は,第三脳室の背側壁に存在する小器官であり,哺乳類においては主に上頸神経節よりの交感神経節後繊維の支配を受けるという点で10),脳内においてもきわめて特異な存在といえる。系統発生的観点から見ても,松果体は進化の各過程で光受容器,内分泌器,神経組織など複数の機能的および形態学的要素を種々の割合にあわせもつ器官であることが明らかにされており,その変遷は多くの形態学者の研究対象とされてきている20,21,27,28)。哺乳類の松果体は神経性入力を得てメラトニンなどの活性物質の分泌に変換するneuroendocrine transducerとしての位置づけがなされている。すなわち,脳内に存在し,神経系と密接な関係にある内分泌器ということができる。
近年,主に生理学の分野で,生体の各種機能の概日リズムを支配する"生体時計"の局在に関心がもたれ,もし生体リズムの発生の源が局在するという仮説が妥当だとすれば,松果体が脳の現交叉上核などとともにその一部を形成しているのではないかと考えられている。
Summary
An electron microscopic and morphometrical study of the pineal parenchymal cells (pinealocytes) in 3, 5, 8, 14, 18, 24-month-old male mice demonstrated the following results; 1) An increase of nuclear invaginations in older mice.
2) An increase of interdigitations of cytoplasmic processes, resulting in irregularity of the cytoplasmic outlines.
3) A prominent increase in number of age pigments (so-called "lipofuscin") in 24-month-old mice.
4) A tendency of decrease in nuclear: cytoplasmic ratios in the aging process.
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