小川鼎三先生を偲びて

Obituary

　昭和59年4月29日午前，小川鼎三先生が永眠された。83歳の誕生日を迎えられて半月後のことであった。

　本誌の創刊が昭和31年，先生は最初から編集に参加されたが，昭和30年代の前半に筆者に代理を命ぜられ，それ以来一度も編集会議にはおいでにならなかったと記憶する。したがって実際に編集に関与されたのは約数年間に過ぎなかった。筆者自身はその後の20年余をあくまで代理のつもりで今日に至ったというのが実感で，先生亡きあともこの気持はいっこうに変わることはあるまい。