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I.はじめに
排尿現象は,一見随意的であるが,事実は不随意的なかつ内面での自律神経作用が複雑に入り混じって演出されたものであり,簡単には説明されえないものである。
そこで排尿機構に関する薬理学的検討は,きわめて複雑な要素を解析しなければならない。神経学的な面からは,自律神経系が中心となるも,随意的な体性神経の関与も否定できない。さらに,これらに支配される平滑筋,横紋筋の機能も理解しなければならない。現実には,膀胱排尿筋,膀胱三角部,膀胱頸部,後部尿道,前立腺部尿道,外括約筋,前部尿道の個々において検討されなければならないものと考える。そこで,これらの一つ一つについて薬理学的検討がなされたとしても,生体における総合的な排尿機構を解明したことにはならない。なぜならば,個々における伝達物質と受容体の関連を追求することによって得られた結果が正しくとも,生体内においては,それぞれの横の関連を無視することができないばかりか,それらの総合的な作用の結果として,排尿という事実が見られるのであることを,認識しなければならないからである。
Abstract
In order to confirm vesical contraction, research was done by means of two experimental methods.As direct method,modified Magnus method (i.e.Slack's method) was used.After the strips of urinary bladder were divided from detrusor,trigonal region,proximal and prostatic urethra,the individual specimens in Magnus tubes were washed out by Krebs-Henseleit solution.The stimulants were administered directly.
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