増刊号 ERAS時代の周術期管理マニュアル
Ⅳ 術中・術後合併症とその管理
6.腎・尿路系
排尿障害
篠島 利明
1
,
大家 基嗣
1
Toshiaki SHINOJIMA
1
1慶應義塾大学泌尿器科
pp.309-311
発行日 2014年10月22日
Published Date 2014/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200065
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最近の知見と重要ポイント
□尿道カテーテル留置は,周術期の尿量モニターのため,また脊髄麻酔による術後尿閉(POUR)を避けるために広く行われている低侵襲な医療行為である.
□留置中は患者に苦痛や不快感を生じさせるだけでなく,離床の遅れ,尿路感染併発のリスクとなるため,必要最小限・短期間であることが望ましい.
□POURの診断の遅れは,膀胱の過伸展による収縮障害や,逆流による腎盂腎炎などの有熱性尿路感染の合併,さらには入院期間の延長と関連しうる.
□ERAS時代においてはPOURリスクを有する患者を同定し,膀胱過伸展に至らせないための迅速な診断・対応を行うことが必要である.
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