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1.緒 言
臨床的な意味での局所脳血流量測定は,従来,133Xe脳クリアランス法を用い二次元投射面による測定が行なわれてきたが1),最近ではsingle photon emission CT(SPECT)を用いた三次元測定も行なわれている2,3)。しかし,二次元的測定ではコリメーター軸方向情報の重なり合いやlook through現象などによる情報の喪失が不可避であり臨床的価値には限界がある。また,SPECTによる測定ではこのような欠点は除かれるものの,SPECT自体の定量性にまだ問題を残している2,3)。
Positron emission computed tomography(PETまたはPCT)は,生体内局所の陽電子放射RI標識トレーサーの量をμCi/ml単位で測定しうる技法であり,局所脳血流量のみならず,局所脳代謝諸量の測定も可能である4)。局所脳血流量は脳の生理または病態生理を観察するうえでの基本的パラメーターの一つではあるが,脳血管運動麻痺などのために局所脳機能の状態を必らずしも正確に表現しない場合も少なくない。それゆえ,PET測定では局所脳血流量は常に局所脳エネルギー代謝(酸素消費量や糖消費量)の測定と同時に施行され,互いに対比して病態の考察がなされる4)。
Abstract
Positron emission tomography is the most excellent means for the in vivo quantitative measurement of regional physiological variables in the human brain. In this review describes the methods measuring regional cerebral blood flow and blood volume using the PET, and some pathophysiological significance of those variables.
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