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I.はじめに
近年,神経内科領域においても,言語をはじめとする高次大脳機能の研究が再び盛んになりつつある。それは,従来難解であると考えられていた高次大脳機能障害研究において,臨床症状と脳障害との関係を分かりやすく解釈する離断症候群などの概念が広まったのと同時にX線CTの普及によって,脳の形態的な変化が,死後剖検で確認するまでもなく,生前に手軽に分かるようになったためと考えられる。
ポジトロンCTによる研究は,X線CT同様,放射線医学の領域から生まれた脳研究にきわめて有用な方法である。われわれはこの新しい方法論を高次大脳機能障害の研究に応用し,脳の機能的変化を研究してきた。この論文では,われわれの研究とともに,現在までに行なわれた高次大脳機能障害(一部正常機能)のポジトロンCTによる研究を概観し,ポジトロンCTの高次大脳機能(障害)研究における有用性を明らかにし,さらに,今後の問題点を示すことにする。
Abstract
For the past decade many studies on the locali-zation of higher cerebral functions have been resumed in the field of neurology. One of the reasons for that may be due to the recent popu-larity of theories such as disconnexion syndrome. The theory seems to explain the relationship between clinical symptoms and the brain lesions more clearly than before. The other reason must be due to the invention of X-ray CT which can visualize brain lesions in vivo.
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