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運動野の研究を振り返ると,FritschとHitzig(1870)の電気刺激の実験に始まり,それ以後長い間この方法を用いて運動野の機能を解明しようとする試みが続いた(Walshe,1943)。この間の研究は,電気刺激という神経生理学的手法を用いて運動野内の機能的構造を明らかにしようとするものであり,さらに運動野と筋とを結ぶ神経回路の性質を解明せんとする試みであった。これらの研究は,Phillipsら(1977)のcorticomotoneuronal connectionの一連の研究,Asanumaらのintracorticalmicrostimulationの研究(Asanuma,1975)で,そのピークに到達した。古典的な変性法を用いた解剖学的研究とあいまって,これらの研究によっていわばstaticな側面からの運動野の機能に関する知見が蓄積され,運動野を中心とするhardwareの大筋が明らかにされた。いっぽう,1966年Evartsにより無麻酔動物の脳からニューロン活動を記録する方法が導入され,運動の諸種のパラメーターとニューロン活動の関係を調べることが可能となり,個々のhardwareの要素を成す神経細胞に動的パラメーターが加えられるようになった。その後今日に至るまでこの二つの研究の方向はさらに発展を続け,次第に詳細な知見が集積されてきている。
The definition of the motor cortex was discussed on the basis of recent electrophysiological and anatomical data. Characteristics of so called 'efferent zones' delineated by intracortical microstimulation were summarized and input fibers to and output cells from the motor cortex were reviewed in their relation to 'efferent zones'.
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