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I.はじめに
大脳連合野の運動機能に関する系統的な研究は少ない。随意運動の中枢としての大脳皮質運動野の機能は,古典的な破壊実験から近年の随意運動時のニューロン活動の記録まで比較的よく検討されている。一方単純な個々の筋の収縮をこえて,空間における目的をもった運動の実現には,大脳連合野が大きな役割を果たすであろうことは早くから予測されていた。しかし従来の分析的方法が有効であり得なかったことも大きく原因して,現在までその研究はごく限られた人びとすなわちKennard,Woolsey,Denny-Brownらにまかされてきた。
従来の大脳連合野の運動機能に関する神経学的研究には大きく二つの流れがある。その一つはサルで運動野以外あるいは運動野を含めて大脳皮質を剔除して,運動機能の変化をみるものであり,他の一つはヒトの大脳前頭葉,頭頂葉の障害による,麻痺を伴わない運動異常の研究である。
Bilateral ablation of the cortical areas 4 and 6 of Brodmann in infant monkeys resulted in remarkably mild disability in motor performance (Kennard; 1936, 1942). In a series of cortical ablation including association areas in infant macaques, following results were obtained without marked hindrance of behavior by severer spasticity as in adult experiments (Denny-Brown and Yanagisawa; 1971, 1975).
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