Japanese
English
特集 大脳連合野
後連合野の機能
Functions of the posterior association cortex
岩井 榮一
1
,
佐藤 孝行
1
,
山口 清子
1
,
河村 健
1
Eiichi IWAI
1
,
Takayuki SATO
1
,
Kiyoko YAMAGUCHI
1
,
Takeshi KAWAMURA
1
1東京都神経科学総合研究所医学心理研究室
1Department of Neurobehavior, Tokyo Metropolitan Institute for Neurosciences
pp.1116-1130
発行日 1977年12月10日
Published Date 1977/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904812
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.はじめに
連合野は生活体(ヒト,動物)の最も高次元の機能的役割を営む領域,と概括的に言いうる。連合野は前世紀後半,Flechsigが解剖学的知見を基にして提唱したものである。したがって,その機能に関する研究についても前世紀に遡りうるが,歴史的経過が長いことが必ずしも研究内容の進展を意味するものでもない。その現状は,ようやく,機能解明の黎明期を迎えたにすぎないし,機能の成立機序を純粋に,生理学的,心理学的に述べうる段階でもない。多くの見解は仮説以前の可能な考え方とでもいうべきものであろう。
本記載の目的は後連合野の各細分領域の機能に関する最近の知見を展望することであるが,後連合野自体広範域であり,紙数にも制限がある。ここでは,視覚に関する高次機能を中心として,神経行動学的研究における最近のtopicsや問題点を選び出し,私見を加えながら概述する。なお,参考までに,図1に,脳研究における神経行動学的研究の位置づけを示した模式図を示しておいた15)。
Copyright © 1977, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.