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I.はじめに
放射線照射が,生理的な老化現象を促進するか否かは,まだ明らかな結論は出ていない7,19,21)。しかし放射線照射が老化現象と密接に関係していると考えられるのは,一つにはncoplasia発生としての問題6,13)ともう一つにはglomerulosclerosisのような退行性変化と同じ組織学的所見を示す問題11)とがあるためである。これらの関係はまた,単独照射か分割照射かの照射方法の違い6)や,照射時のマウスの年齢11)によっても変化してくる。中枢神経系においても,これらの関係は存在すると思われるが,過去10年間の文献にはそういった報告は見当たらなかった。その原因の一つは,実験的に脳組織においては老化の明確な指標がないからだと思われる。
著者らは,マウスを実験動物に用い,まず第一にマウスの正常脳組織におけるaging proccssの指標は何か,第二に,もし指標があれば,それは放射線照射によっていかなる変化を示すだろうか,そして第三には,脳組織においても放射線照射が脳のaging proccssを促進しているか否か,の3点に関して検索したので報告する。
Abstract
The relationship between the low dose irradiation to the brain and the aging of the brain was investigated using approximately 104 LAF male mice. The X-rays used were 230 kv, and the whole brain was exposed singly to 500, 1,000, 1,300, 1,750, 2,000, and 2,500 rads. The tissue was fixed by Bouin's solution or Tellysniczky's solution, and was serially cut at 6~10 micron thickness.
The deposits which were heavily stained withperiodic acid Schiff's solution were observed in the serial study of brain sections.
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