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皮膚に存在する感覚受容器は,適刺激により機械受容器,温度受容器および侵害受容器に大別できるし,組織学的に見ると神経終末部が特殊化した第一次感覚受容細胞primary receptor cellと上皮細胞から変化した第二次感覚受容細胞secondary receptor cellがあり,皮膚では前者が大部分を占め後者はメルケル細胞だけしかない。このように多数の受容器が存在するにもかかわらず受容器レベルで研究が行なわれているのは機械受容器の一つであるパチニー小体だけである。しかも機械受容器の刺激受容機構は本質的には筋紡錘と同じと考えられているので,ここではネコのパチニー小体と遅順応受容器のモデルとしての下等動物張力受容器stretch receptorにおける刺激受容機構を概説するのにとどめる。最近,高等動物の皮膚感覚ユニットの生理学的性質がほぼ完全に明らかにされ,また支配神経と受容器の栄養的相関についての実験が盛んになりつつあるのでこれらについて述べることにする。いっぽう,ヒトの皮膚感覚ユニットの研究が近年盛んであるが,ここではいっさい触れない。
Abstract
The present paper reviewed the recent physio-logical studies of cutaneous receptors on the following points; (1) stimulus-response transfor-mation mechanisms in mechanoreceptors such as a Pacinian corpuscle in cats and a stretch receptor in crustacea, and (2) response characteristics to stepwise and sinusoidal forms of stimuli in various sensory units innervating mammalian skin, and (3) reinnervation of cutaneous nerves and their trophic effects on receptors in mammals and leeches.
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