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皮膚感覚には生理学的に触覚,痛覚,温覚,冷覚が区別され,そのほかに皮膚の深部知覚として圧覚があり,また複合感覚として掻痒感や灼熱感があるというように複雑多岐にわたっている。これに対応するかのように,皮膚の神経終末も種々の異なった形態のものが記載されているが,神経終末のタイプと皮膚感覚の種類とは1対1に対応できるまでには,解明されてはいない。現在のところ,自由神経終末が痛覚,メルケル細胞とマイスネル小体が触覚,ファーター・パチニ小体が圧覚という可能性はかなり信頼性があると思われているが,温度感覚に関連する皮膚神経終末はよくわかっていないし,上記以外の神経終末はその微細構造もまだ不明のものが多い。
このように微細形態学的にも感覚生理学的にも,皮膚感覚は最も解明が遅れており,今後の研究に俟つところが大きいが,今のところでは比較的よく研究されている触覚器官,すなわちメルケル細胞とマイスネル小体の微細構造を中心にして記載するほかには方法がない。
Abstract
Sensory organs in the mammalian skin may be classified into the following types: [1] free nerve endings, [2] palisade nerve endings around hair follicles,[3]Merkel cells and associated axons, and [4] encapsulated nerve endings, for example Mcissner corpuscles and Paccinian corpuscles. Common characteristics of sensory afferent endings are presence of a large number of mitochondria in the nerve terminals. Physiological significance of synaptic vesicle-like small vesicles found in the endinggs has been discussed.
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