Japanese
English
特集 感覚器
嗅粘膜上皮
嗅粘膜上皮の機能
The function of the olfactory epithelium
高木 貞敬
1
Sadayuki F. TAKAGI
1
1群馬大学医学部第二生理学教室
1Department of Physiology, School of Medicine, Gunma University
pp.261-271
発行日 1981年4月10日
Published Date 1981/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431905268
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I.嗅上皮の構造
これについては前項ですでに詳しく述べられているので,ここではその働らきの理解を助けるために関連したことをのみ記述する。
鼻腔に飛びこんで来たニオイ分子をまず受容するところはヒトでは鼻腔の天井部分にある嗅粘膜olfactoryepithelium(または嗅上皮olfactory mucosa)で,ここには嗅細胞olfactory cellという名で呼ばれる感覚細胞が密集している(図1)。嗅細胞はきわめて小さい細胞で,核のある部分がわずかにふくれていて約5μの直径を持っているが,そこから粘膜の表面に向かってのびている部分は嗅樹状突起という名で呼ばれきわめて細く(直径0.1〜0.2μ)粘膜表面に達すると少しふくれて終っている。この部分は嗅小胞olfactory vesicleと呼ばれ,ここから自発的にいつも動いている嗅線毛olfactoryciliaが数本または十数本生えてのびている(図2)。
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