Japanese
English
Focus 泌尿器科の未来を拓くバイオ技術
脊髄損傷による排尿障害に対する嗅粘膜移植
Olfactory mucosa transplantation for voiding dysfunction following spinal cord injury
高尾 徹也
1
,
中山 治郎
1
,
辻村 晃
1
,
野々村 祝夫
1
Tetsuya Takao
1
,
Jiro Nakayama
1
,
Akira Tsujimura
1
,
Norio Nonomura
1
1大阪大学大学院医学系研究科器官制御外科学(泌尿器科)E4
キーワード:
脊髄損傷
,
神経因性膀胱
,
嗅粘膜移植
Keyword:
脊髄損傷
,
神経因性膀胱
,
嗅粘膜移植
pp.129-134
発行日 2013年2月20日
Published Date 2013/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413103020
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要旨 脊髄損傷は高率に下部尿路障害を合併するが,障害レベルや損傷程度によりさまざまな病態を呈する。脊髄損傷による下部尿路障害は患者のQOLだけでなく,腎機能にも影響を及ぼすことがある。しかし,損傷した脊髄の再生や機能の回復に対する治療は難しい。近年,脊髄再生を目指した細胞移植が試みられつつある。われわれは,この中で倫理的な問題や拒絶反応の問題の少ない自家嗅粘膜移植に注目した。ラット急性期脊髄損傷モデルに対し嗅粘膜移植を施行したところ,排尿時の尿道括約筋過緊張の軽減,排尿筋-外尿道括約筋協調不全の改善で排尿効率の改善がみられた。ヒトへの臨床応用にはいくつもの関門があるが,今後の発展が期待される。
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