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はじめに
パラニューロン学説は常にAPUD学説と対抗する立場をとっているが,もともとAPUD細胞系は下垂体染色法で名の知られた病理学者であるPearseによって提唱されたこともあって,共通の細胞化学的性状を基礎とし,産生ホルモンの体系化に力が注がれてきた。したがって今日みられるような形で発生学上の知見に相応させるまでに,この学説は幾度か変遷し,ホルモンに関する知見の進歩によってその内容が次第に固められてきた。この学説には,なお多少の矛盾点があるものの,とくに欧米でもてはやされており,この系統の腫瘍であるapudomaの発生病理や内分泌病理に関して,近年著しい知見の進歩を見るに至った。
パラニューロン学説は,神経系の超微形態で有名な解剖学者である藤田教授によってneuronの一族として大系づけられて以来,とくに細胞生理学の領域からの研究が進み,独自の地位を着々と固めつつある。パラニューロンの腫瘍すなわちparaneuromasの体系づけはあまり行なわれなかったが,最近曽我1)がその専門とするカルチノイド腫瘍の立場から出発してこれをよくまとめており,apudomaやneurolophomaないしneurocristomaとの関係を図1のように示している。
Abstract
Tumors of paraneurons, i.e. paraneuromas were reviewed under the light of functioning tumors. As basic models of paraneuroma tumors of the adrenal medulla and related paraganglia were investigated by biochemical and fluorescent-histo-chemical analysis of tumor catecholamines in addition to usual histological and electronmicro-scopical observations. Pheochromocytomas, the most differentiated pattern of the above tumors, were divided into three major types, by the predominance of clear cells, basophilic cells and oncocytes respectively.
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