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I.はじめに
パラニューロンという名称は,藤田恒夫教授が初めて提唱されたときから,形態上の共通性とともに,機能上の共通性を持つ細胞集団にたいして与えられたものである(前章参照)。パラニューロンの形態上の共通性については,電顕,螢光抗体法などの技法を駆使した研究が進められ,パラニューロンに含まれるペプチドやアミンの生化学的研究も急速に発展しつつある。これらの研究発展に比し,パラニューロンの生理学は,いまだに明瞭な学問領域を形成するには至っていない。その理由はいろいろあると考えられる。ニューロンの生理学を築きあげた電気生理学の技法と上述の形態学・生化学の技法とをたくみに組み合わせてパラニューロンの機能を解明してゆこうとするときの技術上の困難がまず考えられる。しかし,このような技術上の困難に劣らず,これまで神経生理学と内分泌学というそれぞれ明瞭な学問領域の狭間に,パラニューロンの生理学という新しい領域を築くための基本となる概念の提示が容易ではない。筆者はこれまでパラニューロンの生理学について2編の総説14,16)を発表してきたが,今回はその後の発展を中心に,単一パラニューロンの機能から,細胞集団を成したときの相互の連絡,他の細胞,組織,器官の機能調節へと筆をすすめてみたい。
Abstract
An attempt is made in this review to elucidate the functional characteristics of individual para-neurons and of a group of paraneurons. Secretionof neuron, neurosecretory cell and paraneuron has been defined as being a chain of processes in which the following four main steps may be involved: ingestion, biosynthesis, intracelluar transport and storage, and extrusion. The process between the action of adequate stimulus and the increase in [Ca2+]i is specific for a individual secretory cell.
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