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古典
ターヘル・アナトミア・原本と注釈(解体旧書・脳と神経篇)
"Anatomische Tabellen", the original work of "Ontleedkundige Tafelen" by Johann Adam KULMUS: text, figures and commentaries
飯塚 一
Joh. IIZUKA
pp.821-827
発行日 1979年8月10日
Published Date 1979/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431905095
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岩波,創元,青木,中央,中国,三一,実日,新教,青春,現代,三省堂,紀伊国屋,東大,セールスマン・ビジネス新書など,新書ばやりの現在の出版界にあって「解体新書なんて知りませんね。不況で解体した出版社のものでしたら,神田の青空市場にでも探しに行ってみるんですね」と言われてみると200年の歴史ある「解体新書」も顔負けだ。「解体新書」の原本といわれる蘭訳本を一応「解体原書」と名づけ,その原文,つまり独文本を「解体旧書」の名でここに紹介させていただきます。
さて独文の「解体旧書」が発行されたのは1722年,著者はJohann Adam KULMUS,印刷はThomas Johann SCHREIBER,出版はCornelius von BEUGHEMで発行は西プロシアのダンチヒである。ところでこの本が中欧諸国で広く読まれ,蘭訳本が遠く日本にまで届いたことにはそれ相応のわけがある。日本でも学術書といえば江戸時代まで(大日本史の印刷発行された明治時代をも含む)漢文と決まっていた通り,欧州ではラテン語で書かれるのが普通であった。中欧の人体解剖書には現今でもラテン語のものがあり(たとえば1965年,ライプチヒ発行F. KISSおよびJ. SZENTAGOTHAI,Budapest共著の解剖図譜),ドイツの医師処方箋は今日でもラテン語となっている。学位記はもちろん,学位論文も最近こそほとんど独文となったが,今でもラテン文を可としている。
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