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はじめに
過去15年間のペプタイドホルモンに関する発展の第一は純粋なペプタイドの抽出に成功したことにもとづいている。ペプタイドが単離され,構造決定されると,提出された推定構造にもとづき,化学合成が行なわれる。その結果,天然あるいは合成品による広範な生理学的研究が展開される。ついで,抗血清が作製され,ラジオイムノアッセイ系の確立によって,組織あるいは体液中のホルモン測定が可能になるとともに,免疫組織化学的研究により,ニューロン,パラニューロンにおけるホルモン産生細胞が明らかにされることになった。
すでに多くのペプタイドホルモンの産生細胞が同定されたが,古くから考えられた単一のホルモンが単一の細胞に存在し,単一の機能をするという概念とは異なり,同一のペプタイドが2種類の異なる細胞に共存する場合もしばしば見出されるようになった。また,消化管ホルモンの多くは消化管の分泌腺あるいは平滑筋に対して多彩な作用を示し,1種類以上のホルモンが類似の作用を示すことが明らかにされた。すなわち,おのおののホルモンが1個以上の標的細胞により認識され,一方,おのおのの標的細胞が1個以上のホルモンを認識することができることを意味している1)。
Abstract
During the past 15 years, a number of peptide hormones have been identified in secretory pro-ducts of the neuron and paraneuorn. After their structure elucidations, organic chemists have attempted to synthesize the peptides according to the proposed structures. Availability of pure natural and synthetic preparations of those peptide hormones has made it possible to investigate the wide spectra of their physiological properties.
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