特集 神経学における最近の研究
<臨床>
脳神経疾患のコンピューター断層撮影(CT)による診断
前原 忠行
1
1東京大学医学部放射線科
pp.874-875
発行日 1978年7月10日
Published Date 1978/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904969
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コンピューター断層撮影(CT)が考案されてまもなく6年になり,わが国でも一般に利用されるようになってからすでに3年を経過しようとしている。ここでは脳神経疾患の診断に際してCTがどのような情報を与えうるかについて述べ,さらに将来CT装置の改善はどのように進むかという展望にも触れてみたい。
CTは1972年4月にG. HOUNSFIELDとJ. AMBROSEが英国放射線学会で"Computerized Transverse Axial Tomography"という題で報告して以来,急速に関心がたかまり,すさまじい勢いで改良されつつ普及して今日に至っている。ここではCT装置の原理については省略するが,開発当初のものはX線の細いビームで被検体を走査し透過したX線を対応する検出器で測定し,さらに角度を1度ずつ変えて走査をくりかえし画素(pixel)単位ごとの平均吸収値を算出して画像を作るもので第1世代の装置(例:EMI 1000)と呼ばれている。その後第2世代の装置(例:EMI 1010)では扇状ビームのX線を使用し複数の検出器を対応させることで検査時間が著しく短縮され,さらに第3世代(例:GE,CT/T 7800)では30度の扇状X線束と301個の検出器を対応させて被検体のまわりを360度回転させるようになり,第4世代の装置(例:AS & E)では被検体のまわり全周に検出器をならべてX線管球のみが回転するように進歩して来ている。
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