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コンピューター断層(CT)が世に出て5年,今もなおわれわれは新鮮な驚きをこれによって得ている。われわれがこれまでに得てきたX線診断の知識がいかに無力であったかを感じさせる症例に遭遇することも多い。最近,脳血管障害の発生頻度のうち,出血性のそれに比し閉塞性のそれが増え,施設によってはすでに後者の方が前者より多くなっている。この現象は診断技術の進歩により診断がより正確となり,より正確な発生頻度の推定が可能となって来たためとするのが定説のようである。CTの開発普及により,脳内出血と脳梗塞との鑑別はより簡単に,より正確になり,両者の発生頻度の比率もおのずと正確に得られるようになろう。脳内出血のCTによる診断は早期であればほぼ100%可能であるのに対し,閉塞性血管障害では病変が必ずしもX線吸収値の違いとして認められない場合がある。しかし,臨床的に脳血管障害と確実に診断され,CTによって脳内出血がなく、クモ膜下出血の事実がないならば,CT上のX線吸収値の異常がなくとも閉塞性脳血管障害と診断してまず大きな間違いはなく,その後の治療の面でもとくに大きな問題を起こすことはない。
われわれがこれまでに経験した5,000余例のCTのうち,臨床症状,血管撮影あるいはCTより閉塞性脳血管障害と診断されたものは598例である。このうち,臨床的データが確実で血管撮影所見の正確なものが117例(男性76例,女性41例)ある。
Abstract
CT of 117 cases of ischemic cerebral diseases clinically evaluated, were studied, and following results were obtained.
1) CT images of cerebral infarction may be classified to 4 types from the density level. Grade 0 (same as brain tissue), Grade 1 (slightly lower than brain), Grade 2 (evidently lower than brain) and Grade 3 (same as cerebrospinal fluid). The grades progress as time passes, and 50 to 60% of cases are grade 0 before 2 days after onset.
2) The margin of the low density area becomes clearer, as times pass, and the lesions with distinct margins increase in number 4 weeks after onset.
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