特集 神経学における最近の研究
<生化学>
筋収縮制御の分子機構
大槻 磐男
1
1東京大学医学部薬理学教室
pp.728-729,738
発行日 1978年7月10日
Published Date 1978/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904911
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生理的な筋収縮・弛緩の最終的な制御因子はCaイオンである。今から約20年前,生化学的な根拠に基づいて提唱されたこの筋収縮制御の"Ca説"は,生理的な観点からも確証される一方,Ca受容蛋白トロポニンの発見を生み,わが国において分子機構の確立をみたものである1〜4)。
今日,このトロポニン系は,ひろく脊椎動物横紋筋全般の収縮制御を行なっていることが明らかにされている。また近年,Ca制御の研究はさらに平滑筋あるいは無脊椎動物の筋にまで発展してきたが,これらの筋肉では別種の機構が存在することも見出されてきたのでこの問題についても触れることにしたい。
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