特集 神経学における最近の研究
<生理>
脊髄活動電位
黒川 高秀
1
1東京大学医学部整形外科
pp.680-682
発行日 1978年7月10日
Published Date 1978/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904891
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脊髄活動電位の臨床応用は脳・末梢神経・骨格筋・心筋などのそれにくらべてかなり遅れたが,脊髄近傍に導出電極を挿入する手技の安全性が確実となり,電子加算装置が普及したのちは,脊髄活動の直接観察が日常の臨床的検査法として実行可能となった。自発活動電位の観察も報告されてはいる1,2)が,実際に応用されているのは脊髄の誘発活動電位である。この方法は1971年下地らの報告3)以来主としてわが国において手技が開発され経験が重ねられて来たといって過言ではない。
技術的な詳細は別の機会にゆずり,ここでは誘発脊髄電位の臨床応用の面でとくに重要と思われる次の2点,すなわち末梢神経刺激法と脊髄刺激法のそれぞれ特徴および現段階における臨床応用について整理を試みたい。
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