検査法
神経活動電位検査法
佐藤 孝三
1
,
佐藤 勤也
1
,
杉山 茂
1
Kôzô SATO
1
1日本大学医学部整形外科学教室
pp.133-138
発行日 1968年2月25日
Published Date 1968/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903875
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知覚機能を客観的に検索しようとする試みは従来いろいろと研究されてきたが,いずれも被検者あるいは検者の主観に左右されるものが多かった.そこで知覚神経線維の活動電位をとらえ,その消長によつて知覚神経の異常の有無を確かめることができれば客観的に知覚機能状態を判断できるとの考えから,1945年Dawson, Scottがヒトの上肢よりの求心性神経活動電位の導出について報告し,1949年には本法の臨床的応用について記載した.しかしながらこの活動電位は純知覚神経線維によるものではなく,いわゆるcompound nerve action potentialであることから知覚機能をこれで判断することには問題があつた.
1959年Gilliattが指神経を電気刺激し,手関節部の正中および尺骨神経幹上より求心性活動電位の導出に成功して以来,広く臨床的応用がなされるようになり,今日では臨床神経学におけるroutineな検査法として利用されるにいたった.本邦では1963年著者らが初めて本法を紹介してより,この方面の研究がなされるようになり,現在では知覚検査法の1つとして普及しつつある.
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