特集 神経学における最近の研究
<生理>
大脳誘発電位—特にSEPとFFPについて
及川 俊彦
1
1鳥取大学医学部第二生理学教室
pp.683-684
発行日 1978年7月10日
Published Date 1978/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904892
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SEPは体性感覚誘発電位(somatosensory evoked potential),FFPは遠隔電場電位(far field potential)の略である。自発性脳波のほかに,外来刺激に応じて一定の潜時でおこる脳の一過性電気現象を誘発電位(evoked potential,EP)という。この語は一般には脳に限って用いられ,特に大脳で検出されるものを大脳誘発電位という。
誘発電位法は,麻酔動物大脳皮質における体性感覚野I,IIの局在,無麻酔動物を用いての連合野の同定などに役立ったが,コンピュータによる平均加算法の導入でヒトの頭皮上から背景脳波を消去させたEP成分のみが検出される。EPの代表的なものは,感覚刺激または感覚経路の刺激による順向性の感覚誘発電位(sensory evoked potentials)で,感覚系の種類により体性感覚誘発電位(SEP),視覚誘発電位(visual evoked potential,VEP),聴覚誘発電位(auditory evoked potential,AEP)などの別がある。
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