特集 神経学における最近の研究
<生理>
α-γ linkage
本郷 利憲
1
1筑波大学基礎医学系生理
pp.671-674
発行日 1978年7月10日
Published Date 1978/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904888
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筋紡錘の一次終末に起始するIa群線維はその筋のα運動ニューロンに単シナプス結合し,自己受容性の伸張反射路を作る。一方,一次終末が付着する錘内筋線維(intrafusal muscle fibre)はγ運動ニューロンによる遠心性支配を受け,その収縮による感覚終末の変形は求心性インパルスの増強をもたらす。こうして,上位脳に発する運動指令が最終共通路(final common path)であるα運動ニューロンに到達する径路は原理上2種類存在することになる。一つはγ運動ニューロン—筋紡錘—Ia群線維という末梢のループを経由してα運動ニューロンに至るいわば間接的な径路であり,これをγ径路と呼ぶ。他の一つは筋紡錘のループを介することなく直接α運動ニューロンに作用するα径路である。運動の発現と調節にたいするこれら二つの径路の寄与と,両者の関係について解説を試みたい。
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