特集 第5回神経化学懇話会
シンポジウム・2
脳細胞成分(Subcellular units)の生化学
7.γ—アミノ酪酸(γABA)と脳顆粒
佐野 馨
1
Kaoru Sano
1
1大阪大学医学部第2内科
1The 2nd Dept. of Med., Faculty of Med., The Univ. of Osaka
pp.776-778
発行日 1963年8月25日
Published Date 1963/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904063
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細胞成分分劃法の進歩は,生理的微量活性物質の細胞内存在様式に関して,少なからぬ知識をもたらした。1953年,Hillarp及びBlaschkoが独立に,副腎髄質からCatecholamineを内包する顆粒を分離して以来,多くの研究室で,いろいろの組織から,生理活性物質を含有する顆粒が分離されるにいたつた。Histamine(肝臓及び肥胖細胞)Oxytocin & Vasopressin(脳下垂体)Catecholamines(脳及び交感神経)Serotonin(脳,交感神経,肥胖細胞及び小腸粘膜)Acetylcholine(神経系)Substance P(神経系)等である。
1956年以来,Elliott及びその協同研究者は,Factor 1或はγABAの一部が,脳内で結合型(bound form)又は非活性型(occult form)として存在することを見ていたが,その細胞内局在には成功していなかつた。著者は,E. Robertsの研究室でγABAも亦,脳顆粒に結合されることを明らかにした。以下は,その結合の性質に関する研究の概要である。
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