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はじめに
“前頭葉の電気刺激により眼球運動が誘発されることは,19世紀に行われたFerrierによる動物実験により記述されている”という書き出しで始まる前頭眼野の論文がいくつか存在する7,33,45)。大脳皮質に上肢・下肢の運動に関係する運動野の存在が明らかにされたのと時を同じくして,それとは異なる前頭葉の近接した部位に眼球運動に関連する運動野が発見された。その後100年あまりにわたって研究がなされ,この領域の範囲やその機能の概要が明らかになってきている。一方,前頭連合野でも眼球運動関連活動が見出され,この活動は,眼球運動の制御よりはむしろ,ある認知機構の制御に関係していることが示唆されてきている13,16)。本稿では,前頭眼野と前頭連合野で見出される眼球運動関連活動を中心に,眼球運動発現における前頭眼野の役割,ならびに,前頭連合野で見られるpost-saccadic活動の役割について考察する。
The frontal eye field is considered as one of the cortical oculomotor centers. The location and the extent of the frontal eye field have recently been defined precisely in the frontal lobe by the intracortical microstimulation method. Neurophysiological experiments showed that pre-saccadic activity was observed only within the cortical area where saccadic eye movements were evoked by the stimulation current under 50 μA.
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