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はじめに
1937年,Behçet1)は再発を繰り返す口腔粘膜のアフタ様変化,前房蓄膿性虹彩炎および外陰部潰瘍を3主徴とする症候群を記載した。その後,これら3主徴にしばしば化膿性丘疹や結節性紅斑などの皮膚症状の合併することが報告され,現在上記4症状を完備するBehcet病(B病)を完全型,その1〜2を欠くものを不全型と呼称されている。さらに,これらの症状に中枢神経症状を伴うNeuro-Behçet病(N-B病)や消化器症状を伴うIntestinal-Behçet病などの存在が知られ,次第に臨床的にその全貌が明らかになりつつある28)。しかし,病因はいまだ不明である。
病因論には感染説,アレルギー説,循環障害説などがある27,30)。これらのうち感染説,とくにウイルス起因説はBehçet2)自身が患者の口腔および外陰部潰瘍組織に封入体を見出し,提唱したのに始まる。その後,B病患者の生検あるいは剖検材料からのウイルス分離についての報告5,15,16,24,25)がいくつかなされた。しかし,このようなウィルス分離に関する報告にもかかわらず,これらのウイルスは株として未確立のままであり,したがってウイルスそのものの諸性質や同定も不詳である。
A virological study was made on a typical autopsy case of Neuro-Behçet's disease. The predominant pathologic changes were observed in the brain stem, manifested by diffuse or scattered foci of degeneration and necrosis, associated with lymphocytic perivascular cuffing, glial proliferation. etc.
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