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特集 医学における霊長類の研究
サルの脳の急性実験についての経験より
A personal experience in acute experiments of monkey brain
高岡 淑郎
1,2
,
酒田 英夫
3
Yoshiro Takaoka
1,2
,
Hideo Sakata
3
1名古屋大学脳神経外科
2京都大学霊長類研究所神経生理研究部門
3大阪市立大学第1生理
1Department of Neurosurgery, Nagoya University School of Medicine
2Primate Reserch Institute, Kyoto University
31st Department of Physiology, Osaka City University School of Medicine
pp.600-603
発行日 1970年11月30日
Published Date 1970/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904658
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はじめに
我々は,昭和44年10月より45年3月にかけて,京都大学霊長類研究所,神経生理部門において,頭頂葉連合野(ブロードマンの第5野)ニューロンの活動を調べる目的で約20頭のアカゲザルを使用し急性実験を行なつた。サルは,ネコ,イヌ等に比し,外的内的環境の変化に非常に敏感でちよつとしたミスによつて貴重な実験をふいにしてしまう事が多い。良いユニット活動を出来る丈長時間記録する為にも,呼吸,血圧,補液等,実験中の全身状態の管理も慎重に行なわれねばならなかつた。筆者も勿論サルの実験の経験は浅いので思わぬ失敗も多かつた。以下この実験によつて教えられた事,気付いた事を中心に述べサルで急性実験を行う場合に役立たせたい。
ことに日本の研究室の現状では十分の設備をもつことが困難なので設備がなくてもやれるような事を考慮した
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