Japanese
English
特集 医学における霊長類の研究
薬理学とサル
Use of monkeys in pharmacology
柳田 知司
1
Tomoji Yanagita
1
1実験動物中央研究所・医学研究所
1Medical Reserch Laboratory, Central Institute for Experimental Animals
pp.591-599
発行日 1970年11月30日
Published Date 1970/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904657
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はじめに
薬理学は各種の化学的物質と生体とのかかわり合いに関する学問で,そこではそれらの物質が生体にどのような作用を有し,またその作用がいかなる機序で発現されるかが追究される。この追究に,コンピューターの発達した今日でも,なお実際に生体を用いて実験を行なつてゆく以外に適当な方法は見当たらず,といつて人体の使用には一定の制約があるので,動物実験は薬理学と不離不則の関係にある。
近年,数多の新薬の登場により,臨床医学における薬物療法はめざましい進歩を遂げつつある。これらの進歩に伴つて,各種の化学的物質の薬効や毒性に関する人体と動物での成績の差異が問題となり,人体を前提とした生体モデルとしての動物という観点から,薬理学の領域においても実験動物としてのサルの存在がにわかに注目を浴びるに至つたのである。
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