展望
Progressive Multifocal Leukoencephalopathy
祖父江 逸郎
1
,
高橋 昭
1
,
飯田 光男
1
,
上井 良夫
2
Itsuro Sobue
1
,
Akira Takahashi
1
,
Mitsuo Iida
1
,
Yoshio Uei
2
1名古屋大学医学部第一内科教室
2名古屋大学医学部病理学教室
1Ist Dept. of Internal Medicine, School of Med., Nagoya Univ
2Dept. of Phathology, School of Med., Nagoya Univ
pp.637-646
発行日 1969年11月25日
Published Date 1969/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904630
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Ⅰ.まえがき
Progressive Multifocal Leukoencephalopathy(PML)は,種々の基礎疾患ことに細網内皮系の腫瘍との関連,進行性の経過をとる多彩な神経症状,白質に多巣性の特異な脱髄巣を示す病理変化,とくに巨大astrocytc,oligodendrocyte様の大きな円形細胞の出現,oligodendrocyte様細胞の核および胞体内にみられるvirionの存在など,いくつかの特徴が明らかにされ,これらの問題をめぐつてそれぞれの関連領域から注目されている興味ある疾患である。
Åstromら5)(1958)が2例の慢性リンパ性白血病と1例のHodgkin病を基礎疾患としたPML 3例と,それより以前に発表されていた同様な症例5例(Hallervorden1)1936の2例,Winkelmanら2)1941の1例,Batemanら3)1945の1例,Cristensenら4)1955の1例)を合せ8例について綜括的に記載して以来,表1に示すように,次々に症例が追加され,現在までに70症例に及んでいる。
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