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特集 パーキンソニズム(第4回脳のシンポジウムより)
Parkinsonismに対する定位脳手術の臨床成績
Results of Stereotaxic Operation for Parkinsonism
杉田 虔一郎
1
Kenichiro Sugital
1
1名古屋大学医学部第一外科
11st Dept. of Surgery, School of Med., Nagoya Univ.
pp.938-942
発行日 1968年12月25日
Published Date 1968/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904560
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I.緒言
1908年,動物実験用の定位脳手術装置が,Horsley=Clarkによつて考按されて以来,1947年Spiegel=Wycis,本邦では1951年楢林らによつてこれが臨床例に応用された。本法の根木的な目的が脳深部の基底核,視床等に正確にかつ最小限の侵襲で到達することであることは,臨床においても動物実験においても差異はないが,臨床上本法が動物実験の場合と異なることは,脳室撮影を基本とするX線写真によつて全て計測されている点である。すなわち個体差の大きい人脳では動物における様な骨からの計測法は全く適用てきず,全て脳室からの計測で位置を決定することになる。この脳室(主に第III脳室)からの解剖学的計測値の個体差による誤差の補正の為に,生理学的な電気刺激による誘発反応の観察や微小電極法1)が積極的に応用されている。
手術装置及び破壊法に関しては,種々な方法が発表されているが,それぞれ一長一短がある。もちろん使い慣れればいずれもほぼ同程度の手術成績が得られるはずであるが,動物実験用の装置と異なり,臨床例においては第1例からその対象が患者であるので,使い慣れれば同じではすまされない。したがつて第1例からでも十分な手術成績が得られるような装置及び手術法が必須となる。
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