Japanese
English
特集 パーキンソニズム(第4回脳のシンポジウムより)
振戦機構の視床内局在
Tremor Localization within the Thalamus
楢林 博太郎
1
Hirotaro Narabayashi
1
1順天堂大学医学部神経科
1Dept. of Neurology, Faculty of Med., Juntendo Univ.
pp.933-936
発行日 1968年12月25日
Published Date 1968/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904559
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Ⅰ
パーキソンニズムにおける安静時振戦rest tremorは筋強剛と共にパーキンソン症状の名の下に,そのメカニズムや病態生理,あるいは病理所見との対応において,一括して考えられる事が多く,強いて後者と弁別される傾向は少なかつたということができる。
しかしながら,定位脳手術の本疾患に対する治療手技としての発達と共に,手術効果が,その手術目標部位targetの設定の相異によつて,ある場合には強剛にのみ,ある場合には振戦にのみ,さらに両者共に対してあらわれる事が経験されてきた。現在,この振戦と強剛を区別(症状的にも,また病態生理学的にも)することは一般的になつたが,しかしながら,脳内,ことに間脳のレベルで,それぞれに対して,その症状の発現を担う神経核や経路を推定,考える人々はまだ多くない。
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