特集 神経学における最近の研究
<臨床>
定位脳手術による治療—定位脳手術手技,パーキンソン氏病を中心に
杉田 虔一郎
1
1信州大学医学部脳神経外科
pp.897-898
発行日 1978年7月10日
Published Date 1978/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904978
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1950年代から1960年代までの20年間定位脳手術法の適応症のなかで,最も治療効果の高いものはパーキンソン氏病であり,また当時はパーキンソン氏病に対する唯一の治療法は定位的視床破壊術でもあった1,3)。1970年パーキンソン氏病に対する劇的なL-DOPAの薬物療法が確立され,一時パーキンソン氏病に対する定位脳手術法の適応はなくなるのではないかと言われていた。しかし近年L-DOPA療法による長期治療を検討する時,economizerやamantadineなど種々の薬物の進歩はあったとはいえ,L-DOPA療法に抵抗するものや,副作用の強い症例が浮きぼりにされてきた。ここで再びL-DOPA時代の定位脳手術法に関して多くの検討がなされる時代となった。
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