Japanese
English
特集 パーキンソニズム(第4回脳のシンポジウムより)
動物の神経原線維変化の実験的研究—特に電子顕微鏡所見について
Electronmicroscopic Study on the Experimentary Produced Neurofibrillary Changes by Aluminium Compound
生田 房弘
1
,
小柳 新策
1,2
,
田中 政春
1,3
Fusahiro Ikuta
1
,
Shinsaku Oyanagi
1,2
,
Masaharu Tanaka
1,3
1新潟大学脳研究所神経病理
2Wistar Institute
3国立犀潟療養所病理部
1Dept. of Neuropathology, Brain Research Institute, Niigata Univ.
pp.897-907
発行日 1968年12月25日
Published Date 1968/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904555
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.緒言
1961年,平野ら3,4)によりマリアナ諸島におけるParkinsonism-Dementia Complexの存在が指摘されるとともに,Parkimonism,老人性痴呆および筋萎縮性側索硬化症相互間には強い類縁性のある可能性が強調されるに至つた。同様に,神経細胞胞体内の封入体Lewy bodyとの共存性からは,ParkinsonismとHallervorden-Spatz症候群2)との関連性について,さらには老人斑の分析から老人性痴呆とAmyloidosisとの関連性までが指摘されうる症例報告10,12)など,近年,各種の原因不明な変性疾患を単一な独立疾患としてではなく,一つの類縁関係における広いスペクトルの中に位置づけて考察しようとする機運が強まりつつあるように思われる。
したがつて,これまで老人性脳変化を示す神経細胞の形態的特徴と考えられ,神経病理学における最も重要な変化の一つとみなされてきたAlzheimerの神経原線維変化1)は,Parkinsonismと神経原線維変化を伴う痴呆が存在する事実の指摘により,さらに広い視野と前要性のもとで,この変化を考察する必要性が強まりつつある。
Copyright © 1968, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.