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特集 パーキンソニズム(第4回脳のシンポジウムより)
脳炎後ParkinsonismのAlzheimer原線維変化の分布
Distribution of Alzheimer's Neurofibrillary Changcs (NFA) in Postencephalitic Parkinsonism
石井 毅
1
Tsuyoshi Ishii
1
1都立松沢病院
1Matsuzawa Hospital
pp.909-918
発行日 1968年12月25日
Published Date 1968/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904556
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I.緒言
Alzheimer原線維変化は最初,主として老年疾患との関連において研究された1〜5)。その後,この変化は老人脳以外の,種々の病的過程の際にも出現することが明らかになり,なかでもエコノモ型脳炎後遺症にみられるものは有名である6〜12)。
Parkinsonismにおける脳内原線維変化の分布での第一の問題は,どのようなParkinsonismに原線維変化がみられるかである。今回,わたくしが検索した11例のParkinsonism脳のうち,3例の振戦麻痺(paralysisagitans)と思われる症例では,原線維変化は全く見出されなかつた。残りの8例は臨床病理学的に"脳炎後Parkinsonism"と考えれる症例であり,その全例に多数の原線維変化を見出した。これはHasslerの主張とよく一致している13)。ついでながら,日本脳炎後遺症では14,15),浜田・石井の報告した慢性例においても,原線維変化はほとんど見られない。したがつて,Alzheimer原線維変化の出現は,Parkinsonismにおいては脳炎後遺症例にかなり特徴的であるといえよう。
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