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特集 パーキンソニズム(第4回脳のシンポジウムより)
神経病理学の立場からみたIdiopathic Parkinsonismの問題点
Essential Questions for Idiopathic Parkinsonism from Neuropathological Viewpoint
白木 博次
1
Hirotsugu Shiraki
1
1東京大学医学部脳研究所病理部門
1Dept. of Neuropathology, Institute of Brain Research, Faculty of Med., Univ. of Tokyo
pp.874-896
発行日 1968年12月25日
Published Date 1968/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904554
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I.はじめに
午前中は,MAOや抑欝症が話題となり,Parkinsonismからやや遠ざかつた感がないでもなかつたが,ここではParkinsonismまたその関連疾患と診断され,剖検された人体例の神経病理の実態をのべてみたい。この場合のParkinsonismとは,日本脳炎やCO中毒のときの固定性か,むしろ時の経過中に,多少とも軽快してゆくものがその対象ではなく,idiopathicで,進行性のもののみをあつかうことにする。ところで,これらの資料の臨床診断は,Parkinsonism,また他の疾患そのもの,あるいはその合併が疑われているが,神経病理学的には,病変の局在,分布,性格などの諸点で,予想以上に複雑なものである点をまず指摘しておきたい。したがつて,臨床像の上でParkinsonismと一口にいつても,もともと,症例により,かなりニュアンスの差があつてもしかるべきもののように思われる。
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